韓国の外国人健康保険|ワーホリの加入条件と4大保険|H-1 MISSION 16
情報確認日:2026年8月19日
このMISSIONでやること
やること|「4大保険=全部必ず加入」と思い込まず、自分に関係する保険を1つずつ確認する
所要時間の目安|20〜30分
準備するもの|労働契約書・外国人登録情報・給与明細(受け取っている場合)
韓国でアルバイトを始めると、求人票や労働契約書で「4대보험(サデボホム/4大保険)」という言葉をよく見ます。
ここで一番大切なのは、「4大保険」という名前の1つの保険があるわけではないということです。
韓国で一般に4大保険と呼ばれるのは、国民年金・健康保険・雇用保険・労災保険の4つです。そして外国人のH-1ワーホリでは、国籍、在留資格、勤務時間、雇用形態、事業場の条件などによって扱いが同じとは限りません。
そのため、「アルバイトだから4つとも入らない」「外国人だから全部対象外」「4大保険ありと書いてあるから4つ全部加入」と決めつけないことが重要です。
このMISSIONでは、難しい制度名を覚えるのではなく、「何のための保険?」「自分は何を確認する?」「給与明細ではどこを見る?」の順番で整理します。
まず結論|4つを別々の保険として確認する
4大保険を簡単に分けると、次のように考えると理解しやすくなります。
- 健康保険(건강보험)|病院に行ったときの医療費負担に関係する
- 国民年金(국민연금)|老齢・障害・死亡などに備える公的年金
- 雇用保険(고용보험)|失業・雇用安定などに関係する
- 労災保険(산재보험)|仕事中や通勤中などの業務上の事故・けが・疾病に関係する
同じ「社会保険」でも、加入条件も保険料の負担方法も違います。
特にH-1は外国人なので、日本人が韓国で働く場合の国籍・在留資格上の扱いまで確認する必要があります。

CHECK 1|健康保険は「働いているか」と「韓国に住んでいるか」を分けて考える
健康保険は、ワーホリ生活で最も身近に感じやすい保険です。
病院や薬局を利用するときの自己負担に直接関係するため、「加入していると思っていたのに実は違った」という状態は避けたいところです。
韓国の健康保険には大きく、勤務先を通して加入する「職場加入者(직장가입자)」と、職場加入者などに該当しない人が対象となる「地域加入者(지역가입자)」があります。
外国人でも、健康保険法上の適用対象事業場の労働者になれば、原則としてその日から職場加入者資格を取得する仕組みがあります。
ただし、2026年8月19日時点の健康保険法令では、非常勤労働者や1か月の所定労働時間が60時間未満の短時間労働者などは職場加入者から除外される規定があります。そのため、「アルバイトを始めた=必ず職場健康保険」とは断定できません。
職場加入者にならない国内滞在外国人の地域加入には、原則として国内居住6か月を基準に資格を取得する仕組みがありますが、在留資格などによる例外があります。H-1本人の正確な資格取得日は、入国日・勤務開始日・現在の加入状況を国民健康保険公団1577-1000へ伝えて確認してください。
確認するときは、勤務先に「健康保険の職場加入者として資格取得の申告をしていますか?」と聞くのが最も分かりやすい方法です。
CHECK 2|国民年金は「外国人だから対象外」ではない
国民年金も誤解が多い制度です。
国民年金公団は、韓国に居住する18歳以上60歳未満の外国人について、原則として韓国人と同様に国民年金の加入対象になると案内しています。国民年金の適用事業場で働く外国人は、条件を満たせば事業場加入者になります。
ただし外国人の場合は例外があります。
- 本人の在留資格
- 国籍による相互主義
- 韓国と本国との社会保障協定や条約
などによって加入対象から除外されることがあります。
日本と韓国には社会保障協定がありますが、日本は主に一定の一時派遣などで二重加入を避けるための「保険料免除」を中心とする協定国です。そのため、韓国の勤務先に現地採用されたH-1が「日本人だから自動的に韓国の国民年金を免除される」と考えるのは適切ではありません。
また、短時間労働者には1か月の所定労働時間60時間未満を基準とする適用除外と、所得・複数勤務先などに関する例外があります。実際の加入対象は、勤務先・勤務期間・勤務時間・現在の適用関係を含めて国民年金公団に確認するのが安全です。
給与明細に「국민연금」と書かれた控除があれば、金額だけを見るのではなく、自分が事業場加入者として登録されているかも確認しましょう。
CHECK 3|雇用保険はH-1なら自動加入、と単純には言えない
H-1の雇用保険は特に注意が必要です。
出入国管理法施行令では、観光就業(H-1)資格の人が就業活動をする場合、就業活動が可能な在留資格として扱うとされています。
一方、雇用保険法施行令では、一定の外国人について本人が加入を申請した場合に雇用保険法の全部を適用する仕組みがあります。
つまり、日本人H-1について「アルバイトを始めた瞬間に当然4大保険の雇用保険へ自動加入する」とだけ説明するのは正確ではありません。
勤務先の担当者に、
「私の在留資格はH-1です。雇用保険の被保険者資格はどの扱いになっていますか?」
と具体的に確認してください。
加入を希望する場合や会社側の説明が曖昧な場合は、雇用労働部1350または勤労福祉公団で、H-1であること・国籍・労働契約内容を伝えて確認します。
CHECK 4|労災保険は「給料から引かれる保険」と考えない
労災保険は、ほかの3つと少し考え方が違います。
仕事中のけがや業務が原因の疾病、一定の通勤災害などが発生したときに重要になる制度です。
「外国人だから労災は使えない」「短期アルバイトだから関係ない」と思い込まないでください。
また、労災保険料は原則として事業主が負担します。そのため、健康保険や国民年金のように自分の給与明細から保険料が引かれていないからといって、「労災に入っていない」と判断することもできません。
仕事中にけがをした場合は、店長から「自分の健康保険で病院へ行って」と言われただけで終わらせず、業務上の災害に該当する可能性があるかを勤労福祉公団へ確認してください。
PAY CHECK|給与明細ではこの順番で見る
初めて給与明細を受け取ったら、「4大保険」という1行を探すのではなく、控除欄を1項目ずつ見ます。
1. 국민연금|国民年金
2. 건강보험|健康保険
3. 장기요양보험|長期療養保険(健康保険と関連して控除されることがあります)
4. 고용보험|雇用保険
5. 所得税など、保険以外の控除
労災保険は原則として事業主負担なので、給与明細の本人控除欄に見当たらないこと自体は不自然ではありません。
大切なのは、「何か引かれているから正しい」ではなく、契約条件と実際の資格取得状況が一致しているかを見ることです。

CASE|よくある4つの勘違い
CASE A|「4大保険あり」の求人だから4つ全部同じ条件で加入する?
いいえ。求人票の「4大保険」は制度をまとめた一般的な表現として使われることがあります。実際には保険ごとに適用条件を確認します。
CASE B|週の勤務時間が短いから4つ全部対象外?
これも一括では判断できません。各制度にはそれぞれ適用・除外条件があります。特に労災保険を他の保険と同じ感覚で考えないでください。
CASE C|給与から保険料が引かれているから加入手続きも完璧?
控除があることと、公的機関に正しく資格登録されていることは分けて確認した方が安全です。疑問があれば各公団で資格取得状況を確認します。
CASE D|仕事を辞めたら健康保険もその日から完全になくなる?
職場加入者の資格を失った後、外国人の地域加入資格など別の扱いへ変わる可能性があります。退職後も韓国に滞在するなら、健康保険公団へ次の資格と保険料を確認してください。
STOP|こんな説明をされたら確認する
- 「外国人は4大保険に入れない」
- 「ワーホリは全部対象外」
- 「4大保険ありだから何も確認しなくていい」
- 「労災保険料もあなたの給料から引く」
- 「給与から引いているけれど、何の保険かは分からない」
- 「退職したら健康保険はもう考えなくていい」
その場ですぐ違法だと決めつける必要はありません。
まず、自分のH-1在留資格、国籍、労働契約書、週の勤務時間、給与明細をそろえて、どの制度についての説明なのかを1つずつ確認します。
困ったとき|問い合わせ先を制度ごとに分ける
4大保険で一番混乱する原因の一つが、「どこに聞けばいいのか分からない」ことです。
健康保険について|国民健康保険公団 1577-1000
外国人の職場加入・地域加入・資格取得時期・保険料などを確認します。
国民年金について|国民年金公団 1355
外国人の加入対象、国籍・在留資格による扱い、事業場加入状況などを確認します。
雇用・労働制度について|雇用労働部 1350
雇用保険や労働条件について相談するときに利用します。
労災・雇用保険の資格や労災申請について|勤労福祉公団 1588-0075
労災保険、雇用保険の適用・資格などを確認できます。
問い合わせるときは、最初に「日本国籍・H-1(観光就業)・アルバイト」と伝え、そのあと勤務時間と契約期間を説明すると話が早くなります。
公式情報・問い合わせ
※社会保険の適用条件、保険料率、外国人の取扱いは法改正や個人の勤務条件によって変わる可能性があります。実際の加入・控除を判断するときは、必ず各公的機関に最新情報を確認してください。
FAQ|韓国ワーホリの4大保険・健康保険
韓国の4大保険とは何ですか?
国民年金、健康保険、雇用保険、労災保険の4つをまとめた呼び方です。1つの保険ではなく、それぞれ目的と加入条件が違います。
H-1でアルバイトをすると4つ全部に必ず加入しますか?
一律ではありません。国籍、在留資格、勤務条件、各制度の適用・除外条件などを保険ごとに確認する必要があります。
外国人でも韓国の健康保険に入れますか?
はい。外国人にも職場加入や地域加入の制度があります。ただし資格取得時期や適用条件が異なるため、国民健康保険公団で本人の条件を確認してください。
日本人ワーホリも国民年金を払いますか?
外国人も原則加入の制度ですが、国籍・在留資格・社会保障協定などによる例外があります。日本国籍・H-1・勤務条件を国民年金公団へ伝えて確認するのが確実です。
H-1の雇用保険は自動加入ですか?
外国人の雇用保険には在留資格による適用区分があり、H-1では本人の加入申請が関係する場合があります。「外国人だから自動的に加入・非加入」と判断せず、勤務先または1350・勤労福祉公団で確認してください。
労災保険料が給与明細にありません。未加入ですか?
それだけでは判断できません。労災保険料は原則として事業主が負担するため、本人の給与から控除されないのが基本です。
仕事中にけがをしたら健康保険を使えばいいですか?
業務上の事故や疾病であれば労災保険の対象となる可能性があります。自己判断せず勤労福祉公団へ相談してください。
退職後も韓国に残ります。健康保険はどうなりますか?
職場加入資格を失った後に地域加入など別の資格へ変わる可能性があります。退職日と在留資格を国民健康保険公団へ伝えて確認してください。
MISSION CHECK
□ 4大保険が4つの別々の制度だと理解した
□ 健康保険の職場加入・地域加入の違いを確認した
□ 国民年金は外国人にも適用され得ることを理解した
□ H-1の雇用保険は在留資格上の扱いを確認する必要があると理解した
□ 労災保険料は原則として事業主負担だと理解した
□ 給与明細の保険控除を1項目ずつ確認できる
□ 健康保険1577-1000・国民年金1355・雇用労働1350・勤労福祉公団1588-0075を保存した
MISSION CLEAR
次の4つを自分の言葉で説明できれば、このMISSIONはCLEARです。
1. 自分の健康保険は職場加入か、地域加入か、まだ確認が必要か
2. 国民年金の加入対象になっているか
3. 雇用保険の資格はどの扱いになっているか
4. 仕事中にけがをしたとき、労災についてどこへ相談するか
「4大保険に入っていますか?」だけで終わらせず、4つを別々に確認できることがゴールです。
NEXT MISSION
17|PAY-001|給与明細と税金を確認する
次は、給料が振り込まれたあとに何を確認すればよいのか、基本給・手当・保険料・所得税など給与明細の見方を整理します。