効率を重視する「パリパリ(早く早く)」な韓国人夫と、見慣れない食材を前に悩む日本人妻。スーパーマーケットで繰り広げられた小さなすれ違いと、対話を通して夫婦として成長していく過程を描いたエピソードです。

結婚して気づいたことが一つあります。スーパーマーケットはただ買い物をする場所ではなく、カップルの本当の姿が出る恐ろしい場所だということを(笑)。
特に、買い物のスタイルが正反対だった私たちは、韓国で暮らし始めた頃、本当に大変でした。スーパーに行くと、オッパ(夫)はいつも少しそわそわしているように見えたんです。オッパの考えはきっとこうでした。
『必要なものリストを作って、パパッと買って出ればいいじゃん? 効率的に、早く早く!』
でも、私にはそれができないんです。
夫: 「今日は何買う?」
オッパにそう聞かれると、私の頭の中はその時からパニックになり始めます。野菜コーナーで10分、お肉コーナーでまた10分…。一つ一つ手に取って、匂いを嗅いで、新鮮さを確認しないといけないんです。それなのに、横でオッパが足をトントンさせているのを感じると、背中から冷や汗が出ました。
「探してるものないの? 他のスーパー行ってみる?」
オッパにそう言われるたびに、私は焦りました。
私: 『あ、私が遅すぎてイライラしてるのかな? 早く選ばなきゃ…』
オッパは私を気遣って言った言葉だったのでしょうけど、当時の私には「早くして」という無言のプレッシャーのように感じられたんです。私は「大丈夫、ゆっくり見よう」と言いながらも、心の中では泣きたい気分でした。
なぜ韓国のスーパーで夫婦喧嘩になったの?
原因は国籍そのものではなく、買い物の目的と情報量の違いでした。夫は必要な商品を早く買う「効率」を重視し、私は見慣れない韓国の食材を確認しながら献立を考える時間が必要でした。互いの行動の理由を言葉で説明したことで、買い物の時間は喧嘩から、一緒に韓国の食材を探す時間へ変わりました。
※この記事は私たち夫婦の個人的な体験です。韓国人・日本人すべての買い物スタイルに当てはまるものではありません。
私たち夫婦の買い物スタイルの違い
| 区分 | 夫(韓国人)の視点 | 妻(日本人)の視点・チップ (TIP) |
|---|---|---|
| 買い物の目的 | 必要なものを**「効率的」**にパパッと買う | 現地の食材に**「適応」**するための大事な時間 |
| 時間がかかる理由 | 「欲しいものがないから迷っている」と勘違い | 日本の味を出せる代用品を探して脳内シミュレーション中 |
| プレッシャーの原因 | 早く別のスーパーに連れて行ってあげようとする優しさ | 「早くして」という無言の圧力に感じて焦ってしまう |
| 解決策 | 妻がゆっくり選べるように横で黙って待つ | どうして時間がかかるのか、自分の状況を正直に話す |
| 買い物の変化 | 妻の努力を理解し、旬の食材を提案する余裕が生まれる | スーパーが「戦場」から、韓国の味を探す「デート」に変化 |
※この表は私たち夫婦の場合を比較したものであり、国籍による一般的な違いを示すものではありません。
早く買い物を終えたい夫と、食材を確認したい妻

ある日、オッパが真剣に話を切り出しました。
夫: 「僕たち、スーパーに行くたびになんか喧嘩するよね。一度話してみよう。」
私も実はずっと気になっていたので、正直に打ち明けることにしました。
私: 「実は…オッパが横で急かしてるのを感じて、めっちゃプレッシャーだったの。」
「そうだったんだ。でも、どうしてそんなに時間がかかるの?」
私は本当の気持ちを話しました。
「日本では、いつも使い慣れた材料で料理してたじゃない? でも韓国のスーパーに来ると、日本と似てるようで全く違う材料がたくさんあるの。野菜の形も違うし、お肉の部位も違うし。」 「だから材料を見ながら、頭の中でシミュレーションしなきゃいけないの。『この韓国の材料であの日本の料理の味が出せるかな?』、『これで今日の夕飯は何にして、明日は何にしよう?』って、一週間分の献立を組み立てるのに時間がかかるの。」
オッパはぽかんとして聞いていました。たぶん、全く考えてもいなかった部分だったんでしょうね。
私:「それに、韓国に住んでいる以上、高くて手に入りにくい日本の輸入食材ばかりに頼るわけにはいかないじゃない。韓国の材料を使って料理したいんだけど、代わりのものを探すのに悩む時間が必要だったの。」
夫: 「そっか…僕は君が欲しい材料がなくて迷ってるんだと思って、他のスーパーに行かなきゃいけないのかと焦ってたよ。」
オッパの言葉を聞いてみると、私たちはお互いを思ってした行動が、逆にお互いを苦しめていたんですね。オッパは良い材料を早く見つけてあげたかったし、私は韓国生活に適応しようと努力していただけなのに。
夫: 「ごめん。知らず知らずのうちに急かしてたみたいだ。これからはゆっくり見ていいよ。」
私: 「ありがとう。それから、オッパが食べたいものがあったらいつでも言ってね。味は保証できないけど(笑)、なんとか作ってみるから。」

買い物が遅い理由を伝えたら、夫の反応が変わった
その会話の後、スーパーに行くのがマジで気が楽になりました。
今は私が野菜を一つ一つ吟味していても、オッパは横で黙って待っていてくれます。たまには「これどう? 今が旬らしいよ」なんて提案もしてくれたり。当たり前のことでした。料理をするのは私なんだから、材料を選ぶのも私の役目じゃないですか。韓国の材料に慣れていない私には、時間が必要なのが当然だったんです。
今でも時々、悩んで時間がかかることはあります。でも、以前とは雰囲気が違います。オッパが「ゆっくりでいいよ」と言ってくれると、私は安心して買い物ができます。おかげで家に帰る道でも、笑って帰れるようになりました。
最近は新しい韓国の食材を見つけると、二人で一緒に研究します。 「これ何? どうやって食べるの?」 私がスマホで検索して「こうやってみよう!」と挑戦してみます。失敗することもあるけど、それもまたいい思い出になるんですよね。
スーパーでの喧嘩が、韓国の食材を探す時間に変わった
結局、私たちがスーパーで妙に喧嘩していた理由は、お互いのスタイルが違っていたからでした。オッパは「効率」を求め、私は「適応」のための慎重さが必要だったんです。
何よりオッパが、私が韓国の材料で料理しようと努力している気持ちを分かってくれて、本当に嬉しいです。今はスーパーに行くのがデートみたいに楽しいです。違う文化から来た二人が、韓国の味を探す探検みたいですから。
たまに私が韓国の材料で日本料理を作ってあげて、オッパが「お!美味しい!」と言ってくれると、本当に誇らしい気分になります(思わずドヤ顔になっちゃう!)。
スーパーでの小さな戦争は終わりました。違う文化を持つ二人が一緒に暮らすということは、愛だけではダメで、絶え間ない会話が必要だということを学びました。
もう私たちはスーパーで喧嘩しません。代わりに、お互いをもう少し理解し、思いやる時間を過ごしています。小さな変化ですが、私たち夫婦にとっては本当に大きな意味のある変化です。こうして私たちはまた一つ、夫婦として成長しました。

私たちが買い物のすれ違いを減らすために気づいたこと
私たちの場合、買い物中のすれ違いを減らすために大切だったのは、相手の行動を国籍や性格だけで判断しないことでした。
- 妻は、なぜ商品を選ぶのに時間がかかるのかを言葉で説明する
- 夫は、迷っている妻を急かさず少し待つ
- 分からない韓国の食材は、二人で確認する
- 買い物を早く終えることだけでなく、新しい食材を知る時間として楽しむ
相手が何を考えているのか分からないままでは、ほんの小さな買い物も喧嘩の原因になります。でも、理由を一度言葉にすると、同じスーパーで過ごす時間の見え方が少しずつ変わりました。
📚 前後のエピソード
前回(Ep.09)
韓国のオンドルとは?床暖房・こたつとの違いを日韓夫婦が体験
次回(Ep.11)
韓国F-6ビザ更新の必要書類|一人で申請した実体験