韓国で車に乗って、私が最初に驚いたのはクラクションの多さでした。信号が変わっても発進しない車への合図や、急な車線変更への警告など、夫にとっては短い意思表示でも、私には事故が起きたように聞こえました。この記事では、ソウルで実際に車に乗って感じたことと、韓国人の夫に聞いた理由を紹介します。
韓国ではなぜクラクションをよく聞くの?
私がソウルで車に乗った範囲では、信号が変わっても前の車が動かないとき、自分の車の存在を知らせたいとき、急な割り込みや車線変更に注意を促すときなどに、短くクラクションを鳴らす場面がありました。
韓国人の夫にとっては警告や合図の意味でも、静かな道路に慣れていた私には強い怒りの表現のように聞こえました。ただし、クラクションの使い方には地域や運転者による差があり、すべての韓国人が頻繁に鳴らすわけではありません。
また、文化の違いであっても、威嚇的なクラクションや危険な車間距離、無理な車線変更が安全になるわけではありません。この記事は、私たち夫婦がソウルで実際に経験した範囲を紹介するものです。
ソウルで私が感じた日本と韓国の運転の違い
| 場面 | 日本で暮らしていた私の感覚 | ソウルで実際に感じたこと |
|---|---|---|
| クラクション | 緊急時や危険を知らせる強い音という印象 | 発進を促す合図や車の存在を知らせる場面でも聞いた |
| 車間距離 | 比較的余裕を取ることに慣れていた | 私には近く感じる場面が多かった |
| 車線変更 | 十分な間隔を待ってから入る感覚 | 短い間隔で素早く入る車に驚いた |
| 運転のテンポ | 地元では比較的ゆっくり感じた | ソウルでは判断と反応が速く感じた |
※上記は私が日本の地元とソウルで車に乗った際に感じた個人的な比較です。地域、道路状況、時間帯、運転者によって異なります。
ソウルの車内で何度も驚いたクラクション

スーパーへ行く道でした。いつものように夫が運転する車の助手席に座ったのですが、「あ、また始まったな」と思いました。自分でも気づかないうちに、体が何度も「ビクッ!ビクッ!」と強張ってしまうんです。
これは、私が初めて韓国に来た時からずっとでした。結婚前、韓国に遊びに来るたびに荷物が多いからと夫が空港まで迎えに来てくれました。そのたびに、空港から家に向かう車の中で、私はシートベルトを固く握りしめ、何十回もビクッとしていました。当時はまだ恋人同士だったので、なかなか言い出せなくて、夫は私がどうしてそんなに驚いているのか、詳しくは知らなかったと思います。韓国の運転文化が、私にとってどれほどの衝撃だったのかを。
信号待ちと車線変更|夫がクラクションを鳴らした理由

信号待ちで、前の車が少し前に進むと、夫も自然に車を寄せました。 その瞬間、「えっ!」という声と共に、私は思わずシートベルトを掴みました。
夫:「どうしたの?」
私:「いや、前の車と近すぎると思って…」
距離を見ると、たぶん1メートルくらい? 夫は「自分にとっては普段と変わらない距離だ」と言いましたが、私の目には今にもぶつかりそうで、心臓が縮み上がりました。でも、本当に怖かったのはその次でした。隣の車線から、ウィンカーも出さずに車が急に割り込もうとしてきたんです。夫は反射的にクラクションを短く鳴らしました。
「プッ!」 「キャーッ!」
私は本気で悲鳴をあげてしまいました。
夫:「え? どうしたの? 何かあった?」
私:「急にクラクション鳴らすから…日本ではクラクションってほとんど鳴らさないじゃない。本当に事故でも起きたのかと思って、マジでびっくりした。」
夫:「あ、そうなの? こっちでは『気をつけてね〜』くらいの合図なんだけど。」
私:「怖いよ、本当に。マジで心臓に悪い。」
考えてみれば、私も夫と私の故郷で運転している時、クラクションの音を聞いた記憶がほとんどありません。むしろ私の運転がのんびりしすぎていて、夫はイライラしていたかもしれませんね。その時やっと気づいたんです。夫にとっては当たり前の運転習慣が、私にはどれほど馴染みがなく、危険に感じられるのかを。
次の信号ではもっとひどいことが。信号が青に変わったのに、前の車が発進しません。運転手はスマートフォンを見ているようでした。数秒後、夫はまたクラクションを鳴らしました。
私:「また?」 と思わずため息が出ました。
夫:「信号変わってから結構経つでしょ。それに運転中にスマホは危ないから、知らせてあげないと。」
私:「でも、そんなすぐに鳴らすのはちょっと…」
夫:「運転中は運転に集中しないと! ああしてると後ろの車がみんな進めなくて、流れが止まっちゃうんだよ。」
実際に、夫の車の後ろからも、他の車が次々と短くクラクションを鳴らし始めました。
夫は、前の車に発進を知らせたり、急な割り込みに自分の車の存在を伝えたりするために、短くクラクションを鳴らすことがあると説明してくれました。夫にとっては注意を促す合図でも、私には大きな警告音に聞こえたのです。
韓国の車線変更が怖く見えた理由

一番衝撃的だったのは、車線変更の時です。夫はウィンカーを出すと同時に、まるで車体をねじ込むようにして、隙間にスッと入っていきました。
私:「車線変更、めっちゃ危なく見える。」 と私が言うと、
夫:「え? 危ない?」
私:「うん、あの車との距離、狭すぎでしょ。あんな隙間に入るなんて、ありえない!」
夫:「これくらいあれば十分だよ。」
私:「日本だったら絶対に入らない。あれは事故っても文句言えないレベルだよ。」
その時、私たちが慣れてきた運転環境が違うことに気づきました。私は日本の地元で、十分な間隔を待ってから車線変更する運転に慣れていました。一方、ソウルでは短い間隔の中で素早く判断して車線を移る場面を何度も見ました。
夫:「でも、事故にはならないでしょ。」
私:「それは、たまたま運がいいだけじゃない?」
夫:「ううん。みんながこういう運転だから、お互いにどう動くか予測できるんだよ。」
夫は短いクラクションを注意や合図として使っていましたが、私には攻撃的に聞こえることがありました。受け取り方の違いは理解できても、車間距離を十分に取り、安全を優先することが大切なのは日本でも韓国でも同じです。
私:「日本では、運転ってこんなに疲れるものじゃないよ。」
夫:「どんな感じ?」
私:「静かで、予測可能で…急な状況って、あんまりないから。」
これは私も認めます。私が住んでいた町の運転マナーは本当に良かったですから。車線変更の時は十分なスペースを待つし、クラクションは本当に緊急の時だけ。一番驚いたのは踏切です。電車が来ていなくても、全ての車が必ず一旦停止してから渡っていました。 あ、もちろん、東京や大阪みたいな大都市では少し違ったかもしれません。そういう場所はソウルみたいにスピーディーで、クラクションの音もよく聞こえましたから。
お互いを理解すること

スーパーの駐車場に着いてエンジンを切った後、私はやっと、こらえていた息を長く吐き出すことができました。
私:「韓国の運転、本当に難しくて怖い。」
夫:「慣れれば大丈夫だよ。」
私:「どのくらいかかるかな?」
夫:「うーん…数年?」
私:「数年も!?」
正直、夫も時々、韓国の運転文化は激しいと思うことがあるそうです。特にソウルの市内を運転する時は、本当に神経がすり減ると。でも、これが現実で、ここで生きていくには、ある程度適応しないといけないことも分かっています。夫は申し訳なさそうな顔をしました。私が当たり前だと思っていた平穏が、ここでは毎日経験する小さな衝撃だったことに気づいてくれたのです。
夫:「これからは気をつけるよ。」
私:「うん、本当に気をつけてほしい。」
夫:「うん。クラクションも本当に必要な時だけにするし、車間距離ももう少し取るようにするから。」
私:「ありがとう。」
もしかしたら、こういう小さな思いやりが、夫婦の関係を作っていくのかもしれないな、と思います。夫の運転スタイルが一日で変わることはないけれど、私のために努力してくれる、その気持ちだけで十分です。
あの日以来、夫は運転する時、少し気をつけてくれるようになりました。クラクションを鳴らす前に一瞬考えたり、車間距離も以前より余裕を持つようにしてくれます。完璧ではないけれど、私がビクッとする回数は確実に減りました。面白いことに、そうやって運転すると、夫自身もストレスが減るそうです。少し余裕を持って、少し丁寧に。
数日前、夫に聞かれました。
夫:「もうちょっとは慣れた?」
私:「ほんの少し? でも、まだめっちゃ怖いよ〜。」
夫:「じゃあ、僕が一生運転してあげる。」
私:「ありがとう。でも、ずっと韓国で暮らすなら、いつかは私も運転してみないとだよね?」
夫:「本当? そんな気持ちになったの?」
私:「うん。怖いけど、ここで生きていくには必要でしょ。まあ、バスや地下鉄が便利だし、タクシーも日本よりずっと安いから、なくても大丈夫そうだけど! へへ。」
その瞬間、私は深く感動しました。この人が私を理解しようと努力してくれているんだな、と。「両国の文化が違うのだから、ここに来た以上ここの文化に適応して!」と強要するのではなく、怖がっている私に配慮して気をつけると言ってくれたこと。その優しい気持ちがとても心に響きました。そう理解してくれたら、私も韓国文化を理解しようと努力したくなったのです。
運転環境や合図の受け取り方には違いがあります。ただし、文化の違いだけで危険な運転が許されるわけではありません。私たち夫婦にとって大切だったのは、私がなぜ怖いと感じるのかを伝え、夫も車間距離やクラクションの使い方を少しずつ見直してくれたことでした。
今でも私は、時々夫の運転にびっくりします。でも、以前ほどではありません。そして、夫も以前よりずっと気をつけてくれます。完璧な答えはないけれど、私たちはこうやって少しずつ、お互いに歩み寄っている最中です。それが、「一緒に生きていく」ということなのでしょう。
韓国で運転・移動するときに大切だと感じたこと
- クラクションの音に驚いても、急に大きな声や動きを出さない
- 運転する人に怖いと感じる場面を具体的に伝える
- 車間距離と周囲の安全を優先する
- 知らない道路ではナビと道路標識を早めに確認する
- 現地の運転習慣を理解しても、危険な運転を当然だと思わない
この記事は交通ルールの解説ではなく、私がソウルで車に乗った際の実体験です。韓国の交通ルールや安全情報は、韓国道路交通公団の公式案内をご確認ください。
https://www.koroad.or.kr/情報確認日:2026年7月24日
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