「バスケ…好きですか?」
このセリフ、皆さんも一度は耳にしたことがありますよね?
井上雄彦先生の漫画『スラムダンク』で、赤木晴子が桜木花道にバスケ部への入部を勧める時にかけた第一声です。作品の人気とともに、一つの「流行り言葉」として定着したセリフでもあります。
ところで、この有名な言葉を流行り言葉としてではなく、心からの叫びとして放っている人たちがいます。
そう、KBL、韓国プロバスケットボールのファンたちです!
韓国では、KBLのアルファベット読みの頭文字をギュッと2文字に凝縮した『クブル』という愛称で呼ばれています。
マイケル・ジョーダン、ステフィン・カリー、カイリー・アービングといったNBAスターの名前は、バスケをよく知らない人でも聞き馴染みがあるでしょう。私自身もバスケを全く知らなかった頃から、彼らの名前は聞いたことがありました(子供の頃はマイケル・ジョーダンをシューズのブランド名だと思っていた記憶もあります)
NBAは依然として世界的な人気を誇り、新しいスターが絶えず登場し、世界各国の選手たちがその舞台に立つために挑戦しています。韓国では最近、国家代表として注目を浴びているイ・ヒョンジュン選手やヨ・ジュンソク選手がその代表格です。
では、KBLのスターを挙げるとしたら誰でしょうか? おそらく、ウ・ジウォン、イ・サンミン、ソ・ジャンフンといったレジェンドたちを思い浮かべる方が多いはずです。もう少し最近なら、バラエティ番組でよく顔を見かけるハ・スンジンやチョン・テプンくらいでしょうか(ヨ・ジュンソクも大きな注目を集めましたが、現在はKBL所属ではないので除外!)
もちろん、NBAとKBLをあえて比較する必要はありません。むしろ、私は意味のない比較や批判的なコメントは嫌いです。
だからこそ今必要なのは、単なる「バスケブーム」ではなく、まさに「クブル(KBL)ブーム」なのです。

少しKBO(韓国プロ野球)の話をしてみましょうか。
2024年のKBO観客数は計1,088万7,705人。Kリーグ(サッカー)も2年連続で有料観客数300万人を突破しました。対してKBLの2023-2024シーズンの総観客数は83万6,914人。前シーズンより22%増えはしましたが、依然としてその差は大きいです。
「現地観戦」は人気の最も正直な尺度ですから。だからこそ「クブルブーム」が必要なのです。
お隣の国、日本のバスケリーグはどうでしょうか? 韓国のKBLと同じように、日本のプロバスケリーグは「B.LEAGUE」と呼ばれています。最近ではイ・ヒョンジュン選手がB.LEAGUEの長崎ヴェルカに移籍し、話題にもなりましたね。
B.LEAGUEは徹底した黒字運営を原則としており、地域密着を基盤にチーム自体がスポンサーを誘致して運営されています。3年連続で赤字が出れば降格や解散の可能性もある厳しい世界です。また、1部・2部・3部に分かれていてチーム数も圧倒的に多い。このようなシステムのおかげで、ファン獲得のための球団の努力が自然と生まれ、その結果が観客数へと繋がっています。
実際に『スラムダンク』ブーム以降、日本リーグに関心を持つ韓国人女性ファンも目に見えて増えました。
ならば、私たちも負けていられません。
ここからは、日本のファンの皆さんにKBLの魅力をプレゼンしてみたいと思います!
1. 雰囲気イケメンが多いリーグ
バスケをよく知らなくても、選手のビジュアルや雰囲気から沼落ちしたっていいんです。 でも、彼らの本業はあくまでバスケットボール選手。いくらイケメンでも、コートの上で何もできなければファンの心は掴めません。「本業」を完璧にこなしてこそ、あのチャ・○ヌさんよりカッコよく見えてしまうのがファンの心理というものです。
本格的に紹介する前に、避けては通れない一人がいます。お気づきかもしれませんが、ベタだと言われても……そうです、まさにヨ・ジュンソク(23、シアトル大学)です!
昨年7月、安養(アニャン)で行われた国家代表評価戦で、韓国を勝利に導いた主役。日韓戦で連日活躍し、その端正なルックスも相まって、韓国はもちろん日本のファンの心まで射止めました。実際にXでは「22番の選手の名前は何?」という日本ファンの投稿が相次ぎ、試合後にヨ・ジュンソク選手がリグラムした応援投稿にも、日本語のコメントがかなり見られました(日韓戦なのに、そんなに好きになっちゃっていいんですか!?笑)
残念ながらヨ・ジュンソク選手は現在KBL所属ではありませんが、KBLには「雰囲気イケメン」がまだまだたくさんいます。蔚山現代モービスのパク・ムビン、安養ジョングァンジャンのピョン・ジュンヒョン、ソウルSKのイ・ミンサー選手のように。まずはこの3人を紹介しますね。
参考:
- 一人目、パク・ムビン選手(蔚山現代モービス所属): ルックスに負けず劣らず実力も超一流です。高校時代はガードランキング1位、高麗大学在学時にはヨ・ジュンソクと共にレギュラーリーグ優勝を牽引し、新人ドラフト1巡目2位でプロ入り。現在はチームの核となるガードとして急成長中です。
- 二人目、ピョン・ジュンヒョン選手(安養ジョングァンジャン所属): 高校時代から「大型選手」との呼び声が高かった選手です。東国大学入学後、1年生からエースとして活躍し、大学リーグの新人王を受賞。新人ドラフトでは1巡目2位でプロ入りしました。
ロールモデルであるカイリー・アービングの名にちなんで「ピョン・アービング」「コリアン・アービング」と呼ばれるほど高い技術を誇ります。SHINeeのミンホさんの「推し選手」でもあり、最近ではミンホさんのYouTubeチャンネルで一緒にバスケをする姿も見せてくれました。
- 三人目、イ・ミンサー選手(ソウルSK所属): 2024年にプロ入りしたばかりの期待の新人。延世大学時代、全国大学バスケ大会の漢陽大戦では、12得点・5アシスト・3スティールを記録し、勝利の立役者に選ばれたこともあります。プロ入り後は怪我の影響ですぐに出場とはいきませんでしたが、今シーズンからは多くの活躍が期待されています。
2. 神対応なファンサービス
試合後の出待ちは、いつもファンでいっぱいです。 私が初めてバスケの現地観戦に行った時に一番驚いたのも、退勤路の光景でした。
試合後にもかかわらず、ファンとセルカを撮ったり、サインをしたり、最後まで丁寧にコミュニケーションをとる姿が本当に印象的だったんです。
野球のように観客数が膨大すぎると一人ひとりへの対応は難しいですが、バスケはその距離感がとても近いのが魅力です。 中には「ファンサービスが良すぎて沼に落ちた」という人も少なくありません。初対面の選手でも、一度その神対応を目の当たりにすれば応援したくなってしまうほど。もし韓国にバスケを観に来るなら、ぜひ退勤路も体験してみてください! 応援への「お返し」をもらっているような気分になれますよ。
3. 充実した独自コンテンツ
最近のアイドルグループが独自コンテンツでファンと交流するように、KBLの球団もYouTubeを通じてファンと繋がっています。
ほとんどの球団が大手企業を親会社に持っているため、映像チームや外部制作のシステムがしっかりしているんです。 そのおかげで映像のクオリティが高く、シーズン中はほぼ毎日のように試合のビハインド映像や企画動画がアップされます。 オフシーズンでも、キャンプの裏側やファン向けのマーケティングコンテンツで「推し事」のネタを絶やしません。
こうした映像が積み重なることで各チームのエピソードが生まれ、より一層心を込めて応援したくなる火種となってくれるのです。
一言で言えば、KBLは「コンテンツ不足の心配がないリーグ」です。
4. 熱い女性ファン層
「急に女性ファンの話?」と不思議に思うかもしれませんね。
私はバスケを観る前、「男性ファンが多くて、雰囲気が荒そう」という先入観を持っていました。でも、実際は全く違いました。 2024年のKBO(野球)の女性観客比率は48%を超えましたが、バスケはそれよりも遥かに高いんです。
2025-2026シーズンのKBL開幕メディアデーでは、女性観客の割合がなんと88.4%に達しました。 現場にいた私も、正直「ほぼ100%じゃない?」と感じたほどです。SNSやYouTubeでも女性ファン層の厚さは際立っています。
こうした変化を受けて、球団側もファンマーケティングの方向性を変えています。
女性ファンを繋ぎ止めるために、サンリオなどのキャラクターコラボグッズを出したり、動画編集でも感情の動きや細かいポイントを丁寧に拾い上げたりしています。トレンドや社会問題に敏感な女性ファンが多いため、球団側もそうした部分に配慮し、真摯に向き合うようになったのです。
これは単に「女性ファンが増えた」という以上の意味を持ち、ファン文化をより健全なものへと変えていくポジティブな流れだと感じています。
韓国のバスケファンって、自虐を込めて『一握り団(한줌단:ハンジュムダン)』なんて言ったりするんですけど、そんなマイナーな世界に日本の方を布教しようとするのもおかしい話ですよね。
では、どうすればもっと多くの人をバスケットボール会場に呼べるでしょうか? 正直、私もまだ正解はわかりません。 バスケのシーズンは野球が終わる頃に始まります。だから、シーズンオフで寂しがっている野球ファンをバスケ会場に連れてくるのはどうでしょう?
実際に私の周りでも、両方のリーグを楽しんでいる人がたくさんいます。また、バスケは屋内スポーツなので天候に左右されず、試合時間も通常2時間〜2時間半程度とコンパクトです。短い攻撃制限時間のおかげで試合展開が目まぐるしく変わり、いつでも逆転が起こりうるスリルがあります。ドーパミンの刺激が必要な方にはうってつけです。
バスケは、スポーツに無関心だった私が初めてハマった競技です。 最初はこんな風に思ったこともありました。 「このボール遊びをして、私に何の得があるんだろう? 企業はなぜこんなに大金を使ってこれを支援しているの? そして私たちはなぜお金と時間を使って試合を観に行き、怒り、泣き、笑うんだろう?」 少し幼稚に聞こえるかもしれませんが、こうした疑問への答えはすぐには出ませんでした。
でも、結局スポーツとはそういうものなのだと思います。
日常では抑えがちな率直な感情を、思いきりさらけ出せる場所。ファンになるというのは、そんな特別な時間を味わうことなのかもしれません。
だから、私は友達にいつも言っています。
「スポーツは、とりあえず一度現地で観てみないとわからない。とにかく一回だけ来てみて!」
私自身も、そうやって始まったのですから。
私はもっと多くの人が、その経験をバスケットボール会場で共にしてほしいと願っています。まだまだ学ぶことの多い新米バスケファンですが、だからこそ伝えたい言葉があります。
私たちと一緒に、バスケを観に行きましょう!

